冬の川の色はひたすら堅い。 冷たく青空と対峙する。
川面で跳ね返る傾きかけた陽の光。 ギラリと射抜かれて、一瞬たじろぐ。
通い慣れた道、見慣れた風景。 僕の足を止めさせたものはなんだろう。
喧噪に囲い込まれた一握の静寂。 川の畔の図書館に至る道で。
青空を掃く箒。 憂鬱の雲を拭い去って。
夕焼けの彼方に帰っていく 今日という名前の過去。 せめてひととき。
最初の足跡。 紅葉の絨毯の上から。